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LightWave 3D Tutorial UVマッピング レッスン 1

UVマッピングは、平面の画像を不規則な形状のモデルに貼り付けるための方法です。 ご承知のとおり、オブジェクトに含まれるそれぞれの頂点は、X、Y、Zの空間座標を利用して決定されます。UVマップではさらに、マップ上のどこへポイントを配置するかを決定するための、UとVの2つの座標を追加します。これにより、あたかもポイントがそのテクスチャの位置に常に保持されているかのように、画像をオブジェクトに貼り付けることができます。 プロジェクションマッピングほど技術的には正確に貼り付けられるものではありませんが、そのかわりに、UVマッピングはプロジェクションでは貼り付けることが難しい複雑な形状のオブジェクトに画像を貼ることができます。 UV座標をポイントに割り当てることができるプログラムは数多くあります。しかし、LightWaveには、UVを割り当てるためのすばらしいツールがあり、LightWave独自のツールを使うことによっていくつもの利点があります。例えば以下のようなものです。
  • オブジェクトを作成しながらそのモデル上のマップを確認することができ、これによりポイントを正確に配置していくことがはるかに容易になります。
  • 複数のポイントを手動で広げていくことができるので、画像が引き伸ばされることを防ぎ、(もし望まなければ)マップ上にオーバーラップさせないようにすることもできます。
  • ポイントのグループや選択した複数の頂点を使ってマップを作成することができるので、それぞれ異なる部分に、違った方法でマッピングを行なうことができます。
  • オブジェクトのポイントを移動するために、エンドモーフを使うことができるので、モデルの実際のジオメトリを崩すことなく簡単にマッピングを行なうことができます。
  • LightWaveに含まれる選択、変形、詳細ツールを使ってマップを修正することができます。これにより作業がより簡単なものになります。
  • マップを修正するためにLightWave独自のUV用ツールを使うことができます。例えば、UV反転のようなツールを使ってUVの軸を反転させることもできます。
  • もっとも重要なこととして、単純な形状の状態でUVのポイントを割り当て、複雑な形状になる前に単純な形状にマッピングをしても、そのままモデリングやマッピングを続けていくことができることが挙げられます。(LightWaveはジオメトリを細かくしていく間でも、自動的にマップに対してポイントやポリゴンを追加していってくれます。)
これらのアドバンテージが与えられているので、LightWaveのツール群を学んでいくことはとても価値のあることだと思います。しかもLightWaveのツールはとても使うのが簡単です! それでは始めていきましょうか?
まず単純なモデルを使って始めていきます。それは多くの複雑な作業を考えないで済むからです。(複雑な作業は後で行なっていきます)
始めに使うモデルは単純なカンのオブジェクトです。今回はスープの缶にマッピングを行なっていきます。もしもこのチュートリアルに沿って作業をするのであれば、ここで使っているオブジェクトと画像が含まれるファイル(UV1-Swoop.zip)をダウンロードすることができます。
モデラーでオブジェクトを開き、4つのビューポート表示となるようにウィンドウを設定してください。そして、左上のビューポートをUVテクスチャビューに切り替えます。

通常はビュータイプを選択するためのドロップダウンメニューから、画像を開くメニューを選択することができるようになります。ここから、SwoopCanColor.jpgという画像を読み込みます。これがUVマップに利用する画像です。

始めに読み込んだときには、もしかすると、マッピングするにはあまりにも解像度が粗く表示されているかもしれません。これを解決するには、キーボードのdキーを押して表示オプションを開き、背景タブを選択して、解像度を変更したい(画像がある)左上のビューポートに対応した左上というボタンをクリックします。(私はズームしてもきれいに表示されるのでたいていは1024を選択しています。)ここでは、明るさやコントラストも調整できるので、簡単に画像の上にポイントを見えやすく表示させられるようにしていくこともできます。

右上のビューポートをパースに設定して、テクスチャのビュータイプを選択しておきます。

まず始めにマップタブに移動し、テクスチャグループにある新規テクスチャのボタンをクリックするか、作業画面上の下部にあるVMapバーから、Tボタンをクリックしてください。

これによりテクスチャマップ作成のパネルが開きます。テクスチャ名のテキスト入力フィールドに、このマップに付けたい名称を入力します。例えば、SwoopCan_UVといった名前を付けます。初期値のチェックボックスが外れていることを確認してください。ここでのマッピングではLightWaveがマップを作成してくれるのを望んではいません。今回のケースでは、自分でマップを作成しようと思ったからです。

UVマップを今回のケースのように作成していく利点としては、UVを作成しながらそのマップを確認することができるいうことがあります。しかし、この作業はサーフェイスを作成しているときに限られます。そのため、色・質感編集パネルを開き、Swoop_Canというサーフェイスを選択します。色のパラメータの横にあるTボタンをクリックして、このチャンネルにテクスチャを適用していきます。このボタンをクリックするとテクスチャ編集パネルが開きます。

レイヤー種が(デフォルトの)画像マップ、ブレンディングモードが通常、レイヤー不透明度が100%になっていることを確認します。次に、投影UVに設定します。これにより、UVマップのメニューが現れます。SwoopCan_UVをUVマップに選択し、SwoopCanColor.jpgを画像に選択します。その他の設定はデフォルトのままにしておきます。

このチュートリアルの冒頭の画像にあるように、缶の周りを絵で包み込むように、そして缶の上面と底面に対しても絵を貼れるようにマップを作成していきます。つまり、円柱状(缶の側面用)と平面状(缶の上下)のマップを使ってマップを作っていく必要があります。幸運なことに、これはとても簡単に行なうことができます。 パースビューでふたの部分にあたる上面の一番大きいポリゴンをクリックして選択します。次に、Shiftキーを押しながら }(右中かっこ)のキーを押し(または、ビュータブ>選択>選択拡張)、つながっているポリゴンの列を拡張選択していきます。この作業をあと5回くり返し、缶の上部にあるすべてのポリゴンが選択された状態にします。 全て選択された状態にできたら、これらのポリゴンを切り取り、再度そこへ貼り付けます。これによりマップ中で上部のポリゴンを操作できるようになります。

メモ:もしこの作業をとばしてしまうと、このオブジェクトを移動させたときに、頂点が伸びてしまいます。 底面の真ん中にあるポリゴンを選択してから }のキーを7回押し、缶のオブジェクトの底面にあるポリゴンをすべて選択します。カットしてからそのままペーストして、上部のふたと同じような状態にします。

これで準備は完了です。ここからマップの作成を始めていきます。 缶の側面にあるポリゴンのうちどれかを選択し、](右向きのブラケット)キーを押して(またはビュータブ>選択>連続面の選択)、円柱状のマッピングを行なう全てのポリゴンを選択します。

ポリゴンが選択できたら、マップタブに移動し、テクスチャグループのUV作成を選択します。 UV座標のアサインパネルが開き、作成したいマップの種類を選択することができます。

一番上のテキストフィールドがテクスチャ名です。これを使って、現在開いているオブジェクトに付いているマップに対して、UVを割り当てていくことができます。これにより、もしも1つのオブジェクトに対して、2つ以上のマプを作成したい場合にも簡単に操作できるようになります。ここには、SwoopCan_UVが表示されているはずです。
次のフィールドではマップ種を選択することができます。4つのタイプを利用可能です。平面状は3つの軸のうちの1つから単に平面に投影するものです。
円柱状は、円柱の中心にポールが突き抜けるように、3つの軸の1つを使ってオブジェクトの周りを包むようにマップするものです。
球状は円柱状と同じようなマップですが、中心を突き抜けるポールが、マップの上部と下部にあるポイントを中心に集めた状態になっています。中心を包みこむようなマップになります。
アトラスはポリゴンを切り離すので、それぞれのパーツは別々に見えるように表示されます。しかしこれらのパーツ分けは、順番にならべたり、描いたりすることが容易ではありません(モデル自体が単純な立方体や幾何学形状でなければ)。

このチュートリアルでは、もちろん円柱状を使っていきます。この項目には円柱状を選択して次へ進んでください。

その次のフィールドでは、マップに使用する軸を選択することができます。ビューポートを見ると、円柱の長手方向にYの軸が通っているのが確認できます。よってこの場合、マップにはY軸を利用するのが良いです。Yを選択して次へ進みます。 設定の項目は、UV空間でマップをどこへ配置するかを決めるものです。ここの設定が自動のままになっていれば、オブジェクトの中心からマップが作成され、マップ全体にポリゴンが並べられることになります。マニュアルをクリックすると、自分で中心の値を入力することができるようになります。通常は自動のままにしておくのが一番簡単ですし、ここでも自動にしておいたほうが良いでしょう。

OKをクリックして円柱状のマップを作成します。 実行すると即座に缶の周りを画像全体で包んでいるのが確認できます。

ここまででできたオブジェクトについて、ラベルの部分を上に引き上げる作業が残っているので、缶の上部と底部に対して画像を確認することができていません。見えるようにするには、緑色と紫色が分かれている部分までマップ上のポリゴンを伸縮させる必要があります。 ストレッチツール(キーボードのhキーを押すか、変形タブ>変換>ストレッチ)を選択し、モード(画面の一番下の真ん中にあります)のメニューでアクションの中心がマウスになっていることを確認します。1つの軸方向に固定して移動できるようにCtrlキーを押したまま、カーソルをマップの一番下に置き、下方向にドラッグします。

ですが、ちょっと待ってください! 角が一箇所マップの角に止まったままになっています!なぜでしょう? これは、LightWave中では、1つのポイントがマップ上で2の位置に存在することができないためです。そのポイントを確認しようとしても、ポイントは角に存在するわけではなく、マップの右端にあります。これを直す必要があります!アンドゥを実行して、ポリゴンがマップ全体を覆うように戻してから、再度修正を加えていきましょう。

UVマップ上で右端にある全てのポイントを選択します。(この操作は右マウスボタン(RMB)を使って投げ縄 を作り、エッジ部分を囲むように描くことで実行することもできます。余談ですが、このチュートリアルでは、ポイントの表示が見えやすくなるように、簡易ワ イヤーフレーウポイント表示を利用しています。)
次にCtrl+Uキーを押します(または、詳細タブ>ポイント>結合解除)。実行するとマップの左側にポイントが現れるのが確認できるはずです。
缶のUVマップ上のポリゴンを全て選択してストレッチツールh)を使って、Ctrlキーを押したまま頂点をもう一度下方向へストレッチさせます。 統合解除したことにより今度は全てのポイントを移動させることができました。 ポイント全体を、緑と紫の境界部分に対してちょうどポリゴンの境目のラインが重なるまでドラッグします。この操作を行なっていると、缶の上をラベルがスラ イドしていくのが確認できます。(もしも正確に移動させることが難しい場合には、表示をズームしてから試してみてください。LightWaveはスクリー ンサイズに応じてスナップします。)

次に現在の選択を解除し、モデル上部のどこかをクリックし、ポリゴン選択してからもう一度連続面の選択])を実行します。 マップタブに移動してテクスチャグループのUV作成を選択し、上部のマップを作成します。ここでは、マップ種に平面状を選択します。ここでも、画像がきちんと見えるようにこのサーフェイスに垂直になるようにY軸を選択します。

OKをクリックすると、ポリゴンはマップで塗りつぶされ、缶の上部に画像が現れます。これを伸縮させて移動させる必要があります。 拡大縮小のツール(Shift+Hキー、または変形タブ>変換>拡大縮小)を使って、全体のサイズを調整します。ポリゴンを縮めてから、移動ツール(tキー、または変形>移動>移動) を使ってドラッグし位置を調整します。もしかするとポリゴンの周りにある程度余白を残しておきたいと思うかもしれません。オブジェクト上のテクスチャを確 認しながら十分なくらいに余白を残しておくと良いでしょう。(確認しづらいようなときには、解像度を上げることができます。dキーを押して表示オプションパネルを開き、レイアウトタブのテクスチャ解像度を変更してください。)

望むような結果になったら、次に底部のポリゴンを選択して同じ方法でマップを作成します。作成するとすぐに低部にラベルが見えるはずです。 が、ちょっと待ってください!文字が判定になってしまっています!

これは問題ありません。ここでもLightWaveの機能を使うことができます。マップタブ>テクスチャ>UV反転を選択します。ボタンをクリックするとパネルが開き、U軸かV軸、もしくは両方を反転の対象として選ぶことができます。Uは右と左を反転させます。Vは上下、もしろん両方を選択すると両方が反転します。今回の場合はUを反転させます。

UV反転を実行して、文字が正しく表示されることを確認してください。 マップを縮小して、正しく円のなかに入るように移動させてください。ご覧のように文字がきちんと見えるはずです。

これでオブジェクトはマッピングされ、見た目もずっと良くなりました。円柱部分にマッピングした垂直部分のポ リゴンとキャップの部分にあたる水平部分のポリゴンができました。この場合、ふたの部分に含まれる垂直方向のポリゴンが正確には正しく貼られていません。 それはマップがストレッチされてしまうからです。 しかし、この例では単一の色以外に何もないので問題にはなっていませんが、バンプマップの場合ではそうはいきません。 では、パースビューでふたの垂直になっている部分にある2つのポリゴンを選択してください。

ビュータブに移動し、選択グループにあるその他ポップアップからループ選択を選びます。LightWaveはその方向に沿って4頂点で構成されたポリゴン全てを選択してくれます。ここでは、ふちの部分に沿っている全てのポリゴンが選択されます。選択された部分全部をカットし、そのままペーストして戻します。

ペーストしたポリゴンのどれか1つをクリックして、連続面の選択(B)を実行して再度全体を選択しなおします。さらにUV作成を利用して、円柱状マッピングを適用します(マップタブ>テクスチャ>UV作成)。(作成したマップをサイズ調整する前には、ポリゴンの操作に移ってつなぎ目の部分を結合解除しておくことを忘れないで下さい。) 同じようにマップを作成しなおす必要があると思われる部分について同じ操作を繰り返します。

いつでもこのようにしてマッピング方法を変更していくことができます。変更を加えたいポリゴンを選択するだけで、LightWaveはそれらのポリゴンがマップのどこにあるのかを確認し、再度マップを作成しなおしてくれます。 さらに、UVマッピングに必要な作業についてLightWaveのアドバンテージを確認していきましょう。SwoopCanBump.jpgの画像を左上のビューポートに読み込みます。色・質感編集パネルでテクスチャとしてこの画像を利用していきます。 ご覧のように、上部のロゴは側面のラベルに対して全く平行になっていて、本物らしさがありません。これを変更していきます。

モードアクションの中心を選択範囲に変更すると、ふたの中心を気にしながら作業する必要がなくなります。ふたのポリゴンを選択して、回転ツール(yキー、または変形>回転>回転)を選びます。ふたの中心部分でツールを実行し、回転させます。この操作をしていくと、パースビュー上でオブジェクトの上面にあるロゴが回転するのが確認できます。気に入ったところで回転を止めてください。

次にテクスチャ画像をSwoopCanColor.jpgに戻して、バンプのチャンネルのテクスチャに対して SwoopCanBump.jpgを貼り付けます。缶に対するマッピングは全て終わりました。(レイアウトでレンダリングするまでバンプのテクスチャは確 認することはできません。) 最後の作業として、キーボードのmキーを押して全てのポイントを元通りに統合します。表示されるリクエスタはデフォルト設定のまま、コピーやペーストされた部分も、全体がひとつながりとなった状態へ戻ります。